寝付くのにとても時間がかかった。
なんでかは全然分からなかった。
打ち寄せる波の音は怖かった。海の上だと昼間の方が海が怖いのに、陸にいると夜のほうが海は怖い。
シュラフを被ると暑い。北海道はもっともっと寒いと思ってた。ガソリンスタンドのおじさんに聞いたら、今年はすごく暑いそうだ。やっぱり。
この一年後に行った東北一週間ツーリングの方が寒かった。
あれは寒かった。雨も降ったし。この年の北海道は本当に天気に恵まれた。雨に降られたのは一日だけだった。
快晴の北海道を駆け抜けるのは、ほんとに気持ちいい。バイクでしかもオフロード車だと、匂いや風を全身で感じられる(ざるをえない)から、なおさら。この島は、戸の閉まった室内で回るにはもったいない。
テント一式は、出す時はまだいいけど、仕舞うのが本当に億劫だ。まだここはそばにバイクがおけるからいいけど。
脇を通る人が、バイクにこんなに積むんだーと声をかけてくる。自分では普通だと思ってるけど、そうでもないのかなぁ。
これでも減らしたんだけど…。
…
管理人さんに挨拶してキャンプ場を出た。今日は襟裳岬を目指すよ。
はじめての有名な観光地。何があるんだろう。
親子岩キャンプ場
様似町
R336
襟裳岬
豊似湖
R236
忠類
R38
大楽毛
阿寒町
あかんランド丹頂の里キャンプ場
ちょっと戻るけれど、親子岩キャンプ場で眠れない夜をすごしている時に、目の前の国道で車同士の衝突事故があった。
街灯も余り無いカーブで、国道を走ってきたワゴンと、国道沿いの自分の家の駐車場から急に飛び出してきた車とがぶつかった。
テントの中で羊を数えているとスキール音が聞こえて、衝突音がして、道路に近い場所に張っていた自分は急いでそっちに向かった。
飛び出した方の車は運転手が挟まれていて、救急車が呼ばれた。ワゴンは無事のようだ。
落ち着くのにそれほど時間はかからなかった。幸い。
救急車が去って野次馬も去って、静かになった国道。
それをずっとテントから見つめて、初めてバイクで転倒した時のことを思い出して、なんとなくぼけーっとした。
不謹慎なことかもしれないけれど、しょっぱなのこの事件のおかげで、へとへとになりながらも僕は単独含めて無事故で帰れたのかもしれない。
…
テーマソングは『襟裳岬は何もない~♪』だけど、
ワゴン車の仲良しで微笑ましいファミリーとか、
明日フェリーで帰る予定のVoltyに乗ったお姉さんとか、
真っ青な海に遠くまで広がる小島とか、
一日中展望台でアザラシの撮影チャンスを狙っている(らしい)おじさんとか、
いろんな人に会った。
北海道に来る人はみんな、なんか目的を持ってきてる。それが心地良かった。
満面の笑顔でかえしてくれるピースサインと同じくらいに。